風と星と鳥

アイドル(嵐・ジャニーズ)やアイドルでないもの(OLDCODEX・鈴木達央)の観測と短歌

東日本大震災と担降り

2011年の3月13日にさよならを言いに行くはずだった。
その二日前に震災が起きた。
生死にかかわる重大な出来事が世の中でたくさん起きている中で、遠く離れた北海道で、私はずっとその人のことを考えていた。ばかな話で、心のどこかで離れたくない気持ちがあったから引き起こしてしまったんじゃ、と考えるくらい、沈んだ。
中止になったライブは4月16日に延期開催されたけど、ライブTには3.13の日付が刻まれている。延期でも開催されたからよかった。一歩間違えば一生会えなくなるかもしれなかった。
不意に一ヶ月猶予をもらって、宙に浮いた「さよなら」の言葉をどうしようか決まらないまま東京に行った。あの日LIQUIDROOM*1に集った人たちのパワーと、あの人の歌声で何もかも吹き飛んだ。11年の4月なんてまだ、なにもわからなくて先が見えなくて日本中が元気がなくて、そんなときに

「瓦礫と化す過去を踏みしめながら確かに進んだ」

っていう歌詞を、あの時よく聞けたものだなって振り返ってみて驚く。

担降りを宣言することになんの意味もないと思っている。
いつ会えなくなるかわからないんだから会える人には会えるときに会っておいた方がいい。
好きな人にはちゃんと好きと言ったほうがいい。

*1:OLDCODEX Presents-OCD Showcase hidemind tour-Final