2010年あたりから「短歌をどうあらわすか」「短歌の表現方法」「短歌のデザイン」といったことに興味があり一年にひとつくらいのペースで短歌にまつわる制作をしていました。
「Puzzle」(2010)
水彩絵具、Illustrator、インクジェットプリンタ、紙
短歌=自分の心・頭の中に渦巻くもの(感情など)からぴったりの31文字(57577)をとりだすこと
と捉え、"渦巻くもの"を万華鏡状の模様であらわし、そこから短歌のピースをとりだすという行為を体験できる制作をしました。
模様のもととなる図柄は水彩絵具で描き、アプリで万華鏡状のスウォッチを作成。Illustratorで短歌を配置し、プリンタで出力。厚紙に貼り付けたりカッターで切ったり…で出来ています。
泣きながらごめんていえるなんてずるい許すしかない僕は泣けない
約束をするときはいつも破られるまでの幸せ買ってる気分
この目には見たいものだけ映ってる あなたとあなたがいればじゅうぶん
もうずっと叱られたかった「君のことちゃんと見てる」と言われたかった
肉眼で世界が見えていないのはほんとはもっとこわいことかも
夏 きらきら 僕の恋 かなわないずっとかたおもい
世界に空気があることを知ってから息をするのが下手になったの
刃を立てたあのこの方が痛かった左手くびに走ったわだち
ふかい青もぐるわたしのくび締めてにどと朝など来なくていいよ
「その花は毒があるかもしれない」とあなたが言うから毒味の毒味
短歌は今(※記事作成 2021年)見てもお気に入りのものが揃ってますね。
短歌と行為、短歌と手触り、というものを結びつけたかったのはこの頃からのようです。