NEWSのツアー四部作をテーマに短歌連作をしました。
NEVERLAND:鷹野
EPCOTIA:綴さん(@penguincawaii)
WORLDISTA:志佳子さん(@yaki29utaaa)
STORY:風林さん(@hu_hayashi)
と担当を決めて4首ずつ、計16首。
言い出しっぺはわたし。企画の経緯としては、5月に綴さんがTwitterで「神様になりたいわけじゃない」から始まる短歌を詠もう大会を開催していてそれを見ていたら急に連作やりたいな、と思い立ってしまい、気づいたら企画書作って3人お誘いしていました。突然のお誘いにも関わらずありがとうございました、楽しかったです。
ツアー四部作で連作、ということ以外には縛りやテーマなどは定めず「コンサートを思い出せる連作」になればいいなということだけ共有して制作しました。
NEVERLAND メイキング
NEVERLANDは世界観がはっきりしているので作りやすいだろうという予想に反して難しかったです。
NEVERLAND(ツアー)に必要なこと、すべてNEVERLAND(楽曲)に書いてあるので…歌詞から持ってきすぎないようにしなきゃというのがひとつ。
分かりやすいモチーフ、「7つのエレメント(音、愛、魔、光、炎、水、踊)」「4つのゲート・エリア(North、East、West、South/光、水、音、炎)」を使おうとするとそれだけで幅を取りすぎるというのもひとつ。
あと自分は普段、短歌では基本言いたいことは一首にひとつ・詰め込みすぎない・言葉を繰りすぎない、ということが多いのですが、他の人との連作でそれをやるとわたしだけ薄っぺらな短歌に見えそうだなという懸念があり…できるだけ言葉を練るように頑張ってみました。
作った順に見ていきます。
④大丈夫ひとりじゃないよポケットの鍵を握ればいつでも会える
はじめに作ったのはこの歌でした。NEVERLANDを通して最も印象的だったのが「鍵(=NEWSを愛する気持ち)があればいつでもNEVERLANDへ行ける」ということだったので。
ボツ作:大丈夫なくしてないよポケットの鍵を握ればいつでも会える
わたし自身がNEVERLANDの鍵を一度無くした人間だったので…元はこれでほぼ完成でした。後に、NEVERLANDといえばU R not aloneのことを詠まない訳にはいかないなと気付き、バランスを考えるとNEVERLANDの外側の景色は4首中1首に留めたいということで「ひとりじゃないよ」と変えてこの歌に組み込みました。
「ポケットの」がやや唐突感あるのと「鍵」は本来物理ではない(NEWSを愛する気持ちなので)ので「握る」は違和感あるかもしれないですが、形のないものに対して敢えて短歌の中で手触りというか、手応えを与えたかった。肉体でもって「ここにあるよ」って確かめたいときってあるなと思い、こういう表現になっています。
④を作った段階で全体のバランスを考え、それぞれ詠む内容を決めました。
①冒頭の汽車/②なんでもできる魔法/③夢の世界/④鍵とU R not alone
②君と見る夢は七色なんだってできる魔法にかかったみたい
次にできたのがこの歌でした。わりとスッとできた。
「今ならなんだってできる」という気持ち、わたしはそれを勇気と呼ぶと思うんですけど、その勇気をくれるのが「魔法」だと思う。という歌です。
七色は7つのエレメントのことでもあり、色がいっぱいということが「なんだってできる」を強める働きもしています。あと加藤さんのソロの虹も意識。
魔法にかかる、とけない魔法、覚めない夢、みたいなものを②③では描きたかった。
7は四部作通して重要な数字なので取り入れられてよかったです。
③瞬きのたびに目蓋に焼きつけてパレードがゆく 覚めたくないな
色々捏ね捏ねしていつの間にかできてたのがこちら。
「覚めたくないな」で締めたくて、残りで夢のような世界をどう描くかを考えた。
ボツ作:闇の中音と光を引き連れてパレードがゆく 覚めたくないな
ボツ作:暗闇を飲んであふれる 音・光 ひとひら触れる 覚めたくないな
ボツ作:光・水・音 引き連れて覚めるのがやだな最後のゲートをくぐる
いくつか作ったあと直接音や光のことを書いても薄っぺらだなと思い、考えを変えた。
見ているものそのものを書いてダメな時はそれを見ている側の描写をする。④にも書いたが肉体の感覚を取り入れたかった。
「瞬き」は目を閉じたり開いたりする=夢と現実を表す。「瞬きのたび」「焼きつく」で目が熱くなる感覚を起こさせる。涙と書いてないけどこの目は潤んでると思う。泣きそうなときって瞬きするでしょう。
あと本当は「目蓋の裏」なんですけど、裏って言わなくても意外とわかるのでそういうのは省いていく。
「焼きついて」じゃなく「焼きつけて」なのは「パレード【が】目蓋に焼きつける」パレードに焦点を当てたかったから。
「パレード」はNEVERLANDの歌詞にあるので使うか迷ったが、前へ進んで過ぎ去ってしまうものとして「覚めたくない」気持ちに最も合っていたので使用。
闇とか光とか書かなくてもまぶしさって表現できるんだなと思った。
4首の中で一番いつものわたしっぽいのはこれかな。
①さあ乗って 旅のはじまり手をとってゲートくぐれば世界が変わる
ボツ作は早めに出来ていたのですが、最後に完成したのがこちら。
ボツ作:さあ乗って 迎えにきたよお姫様ようこそここが旅のはじまり
どうしても「お姫様」がしっくり来なくてボツ。
オープニングの汽車はコンサートで深く印象に残ったので絶対詠みたかった。
「さあ乗って」は連作の一首めの一句めになるのでまずぐっと強く引き寄せたくて語りかける言葉に。
「旅のはじまり」はNEVERLANDのはじまりであるとともに、四部作ツアーのはじまりという意図で入れました。
一句ごとに「乗る」「はじまる」「(手を)とる」「くぐる」「変わる」と動詞が入る展開で次々景色が変わるめくるめく様子が表現できたかな、と思いつつそれにしても多すぎたので「はじまり」は名詞形にした。
「手をとる」のはもちろん案内人のNEWSの手。鍵を見つける=NEWSを選ぶということ。
「ゲートくぐれば世界が変わる」は4つのゲートをくぐるたび異なる雰囲気の演出になるコンサート中の構成のことでもあり、東京ドームのゲートをくぐって現実から夢の世界へ行くことも表していました。
ボツ作・ボツワードたち
左が短歌の形になっているボツ作、右は短歌未満のボツワードです。
今回はiPhoneのメモアプリでひたすらワードを書き出しつつ作っていました。ポストイットでブレストするみたいなイメージ。
ボツ作を作れば作るほど、詠みたい内容の「ここじゃない」部分が明らかになって削れていき、最終的に一番詠みたい部分が残るんだなーと、今回の作り方では感じた。
レイアウト
企画書段階から四分割にすることは考えていて、このままじゃダサくてやばかったのでなんとか頑張って形になりました。
NEVERLAND・STORYが黒文字薄い背景、EPCOTIA・WORLDISTAが白文字濃い背景で対になっているのがこだわり。
WORLDISTAのWだけフォントが違うの凝ってますね!って言っていただいたけどミスだった。異質感出ていいですね!
真ん中のコンパスも可愛くできてよかったです。W担当の志佳子さんが小山さん担当なのでド紫にしたのもこだわり。
N・E・Wはアイコン的なパスのイラストで装飾していて、Sだけクローバーの写真を使用しました。
連作楽しかった!みんな連作(合作)やろ!
人と合同で作品を作ることが久々で、一生懸命やってやり遂げたときの達成感ってこんなだったなー!って思い出せてよかった。
日夜アイドル短歌のこと考えてる割に自分の作品を真剣に作ってこなかった自覚があったので…。
風林さんと綴さんはもともと連歌とかされてたので合同で作品つくる想像はついたのですが、志佳子さんの存在がね…志佳子さんの短歌めっちゃいいですよね…ほんとね、ここの化学反応を見たかったんですよわたしはね…。すごいよかったです。N・E・W・Sの割り当てもよかった。連作出来上がってからもうずーっと「良かった」しか言ってないんですよわたし…。
今回は思いついて→誘って→内容決めて→中身つくって→出来上がって→公開!がサクサクサクサク〜!って感じだったのも勢いがあってよかった…本当に皆さまありがとうございました。
こういうコラボみたいなことたくさんアイドル短歌界で起こってほしいなあ。いまもちょこちょこお見かけしますがもっと。人が連歌してるのとか見るとすぐ「いいな〜〜!!!(羨羨羨!!)」になっちゃうんですけどね。自分でやるのはあんまりないと思うので…。できることならコラボのお手伝いとかね、企画とか進行とか必要ならレイアウトとか…やりたいくらいには欲してるんですけどね。さすがにJ31Gateと両立はなぁ。
他の方の短歌の感想も個々に書きたい…書きます!
今回はひとまずここまで。